さて、日本ではよく、生の野菜・果物は消化に悪いから、火を通して食べたほうがいい、といったことが言われます。今日はこのことについて少しお話したいと思います。
「生の野菜・果物は消化に悪い」と言われる理由は、食物繊維にあります。人間は、食物繊維を消化する酵素「セルラーゼ」を体内で作ることができません。なので、未消化の食物繊維は、大腸の動きを促し便秘予防・解消に役立ちますが、おならやお腹の膨張感の原因になったりもします。このことから、食物繊維の多いものは消化に悪いといわれ、火を通して繊維の細胞膜を壊し、軟らかくして食べることが消化にいいと、一般的には言われています。
しかし、この食物繊維分解酵素である「セルラーゼ」、人間は体内で作れませんが、実は生の野菜・果物にたくさん詰っているのです!よ~く噛むことで、この酵素を取り出すことができ、食物繊維のスムーズな消化・吸収・排泄を可能にします。生の野菜や果物を食べた後、お腹がパンパンに張る人や、ガスが溜まって困るという人は、よく噛んでいないことが原因になっている場合がほとんど。火を通すと、セルラーゼはもちろん、その食べ物に含まれる他の酵素まで壊してしまい、事前消化ができなくなってしまいます。細かくなるまで噛むことさえできれば、本当は生の食べ物の方が消化にいいんです。新谷弘実先生も、「病気にならない生き方」の中で同じようなことを書かれています。
よく噛むことは、唾液の分泌も促します。唾液には消化酵素が含まれているので、噛むことで更に消化が促されるのはもちろん、胃への負担も軽くすることができます。当たり前ですが、胃腸には歯はついていません・・・!口の中で食べ物がどろどろになるまで、一口最低30回は噛むようにしましょう。入れ歯や歯が弱いなどの理由で、あまり噛めないという方は、ブレンダーやフードプロセッサーを利用するなど工夫することで、生のものを食事にどんどん取り入れることができると思います。食べ物を噛み砕くことはできなくても、口に含んでしばらく口を動かしているだけでも、唾液の分泌を促進し、消化の助けになります。
また、よく噛むことは脳へ刺激を与えるので、ボケ防止にもなります。エンドルフィンの分泌も促して、満足感を与えてくれるので、食べすぎも防いでくれます。戦争中強制収容所に入れられていた人が、一口300回噛むことで餓死することを免れたという話もあります。・・・ここまで言えばもう充分ですよね?とにかく、よ~く噛んで食べましょう!
長くなったので、「生のものは体を冷やす」と言われることに関しては、明日にします。
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