2011年3月24日木曜日

開始まであと4日:胃酸

日本人(特に男性)に大変多い、胃の痛み、胃のもたれ、胸焼けなどの胃の問題。そして、その原因として攻められるのが、胃酸とピロリ菌ですね。今日はこれらについて、少し掘り下げて考えてみます。

空腹時の胃袋は、酸度がpH5~6くらいに保たれています。胃酸は、食べ物が胃に降りてきてから30~45分後に分泌が始まり、胃の中の酸度をpH2~3にまで下げ、食べ物と一緒に入ってきたばい菌を殺します。また、胃酸は、たんぱく質分解酵素を活性化したり、たんぱく質を変性させたりと、たんぱく質消化に大きく貢献しています。胃袋が胃酸によって溶けてしまわないのは、胃の中の壁が粘膜で保護されているからです。食べ物は胃から十二指腸へと送られますが、そこで胃から下りてきた酸性の消化物は、アルカリ性である膵液や胆汁によって中和されます。

胃の痛みや胸焼けは、傷ついた胃や十二指腸の粘膜を胃酸が刺激することで起こります。「制酸剤」は、アルカリ性のものを加えることで、「H2ブロッカー」は、胃酸の分泌自体を抑えることで、それぞれ胃の酸度を中和します。胃酸の酸度が中和されると、傷ついた粘膜が刺激されないので、胃痛などの症状が緩和されます。

しかし、胃酸が中和されると、ばい菌の処理やたんぱく質の消化はおろそかになってしまいます。ばい菌や未消化のたんぱく質は、腸内環境を悪化させ、免疫機能にも負担をかけます。たんぱく質は胃酸の材料である酸性ミネラルを多く含むので、たんぱく質がきちんと消化できない状態が続くと、今度は胃酸を十分に作ること自体ができなくなります。また、アルカリ性の膵液や胆汁の分泌量は、胃から降りてくる消化物の酸度に影響を受けるので、酸度の低い(アルカリ性寄りの)消化物が胃から十二指腸へと送り出された場合、膵液と胆汁の分泌は抑制されてしまいます。胆汁と膵液が十分に分泌されないと、消化がきちんと行なえません。胆汁の流れが悪くなることは、胆石の形成にも繋がります。すると、胃酸の分泌もさらに抑制されてしまい、どんどん悪循環が深刻化していきます。このように、胃酸を中和するということは、消化のプロセス全てを妨害してしまいます。

最近は、ピロリ菌が胃の問題の「原因」である、という説もありますが、除菌治療を受けても症状はあまり変わらない人が多いです。実際、ピロリ菌を持っている人がみんな胃の問題を抱えているわけではないので、本当に「原因」かどうかは怪しいところです。しかし、ピロリ菌の存在が、胃がんなどのもっと深刻な問題へと発展させることと関係しているということは本当のようです。この厄介者のピロリ菌、胃の中の酸度が中和されると、増殖しやすくなります。なので、酸度を中和させたり胃酸を止めたりする薬は、ピロリ菌を増やしてしまい、結局もっと深刻な問題を引き起こしてしまうということにもなりかねないのです。

つまり、胃酸を中和したり、ピロリ菌を除菌したりという、「木を見て森を見ず」的なアプローチは、本当の解決法とは言えないということです。胃の問題の本当の解決法は、①胃の粘膜を修復すること、②胃の粘膜が荒れた元々の原因を取り除くこと、のふたつです。胃の粘膜を保護する成分を含んだ消化酵素をとりながら消化をサポートし、タバコ(一番の原因です!)、ストレスの多いライフスタイル、アルコール、カフェイン、暴飲暴食、栄養バランスの悪い食生活を見直すこと。「えっ、こんなにシンプルでいいの?!」という感じですが、これが真の解決法なのです。

さあ、明日はローフードパーティーです。ブログでその模様をお伝えしますので、お楽しみに!

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