2011年3月22日火曜日

開始まであと6日:栄養学

「Nutrition(栄養学)」という言葉を聞くと、どんなものを食べたらいいとか悪いとかの学問、といった意味で理解されている場合が多いように思います。要するに、何を口に入れるか、ということですね。でも、Websterという英語の辞書では、Nutritionという言葉は、"The science of food and the process by which the organism ingests, digests, absorbs, transports, utilizes and excretes food substances"という風に定義されています。つまり、「何を口に入れるか」ということだけではなく、その食べ物が体内で消化、吸収、運搬、利用、排泄されていくプロセス全体を見る学問である、ということです。しかし実際には、胃痛、下痢、便秘などの問題がない限り、口に食べ物を入れさえすれば、それは自動的に消化・吸収・運搬・利用・排泄されていく、と思われている場合がほとんどですね。今日はこのことについて考えてみます。

正常な消化は、まず噛むことから始まります。噛むことで食べ物は小さく砕かれ、消化酵素を含む唾液が分泌されるので、口の中ですでに消化は始まっています。食道を通って胃に入ると、胃酸が出てくるまでの30分~60分の間、食べ物に含まれている酵素(フード・エンザイム)によって、食べ物は消化されます。これは事前消化と呼ばれ、炭水化物の6割、たんぱく質の3割、脂質の1割ほどはこの事前消化で分解されます。胃酸が出てくると、感染症の原因になる菌の大半は殺され、たんぱく質消化酵素も活性化されるので、たんぱく質の消化が始まります。食べ物はその後、胃から小腸へと移動し、そこですい臓からたくさんの消化酵素が分泌されます。また、肝臓で作られた胆汁によって脂質が乳化され、脂質の消化酵素が働きやすくなります。細かく消化された栄養素や水分は、小腸と大腸の壁から血液の中へと吸収され、肝臓へ送られます。消化されなかったものや、体に必要のないものは、腸内細菌の死骸と一緒に、便として体外に排泄されます。

では、このプロセスがうまく行かない場合というのは、どういったものでしょう?まず、十分に噛まないで飲み込んでしまうと、早くも消化不良の原因になります。酵素の欠乏したものが胃に入ってきた場合は、事前消化を行うことができません。体に酸性のミネラルが欠乏している場合や、胃酸を止める薬を飲んでいる場合、たんぱく質の消化を行うことができません。殺菌がきちんとされないと、菌が腸内環境を悪くしたり、体内に吸収されてしまうこともあります。偏った食生活のせいですい臓が疲労している場合、消化酵素が十分に分泌されず、消化が中途半端になってしまいます。胆汁の流れが悪くなっていると、脂質がきちんと消化されず、便と一緒に出て行ってしまいます。腸内環境が悪いと、下痢・便秘を招き、栄養素の欠乏の原因となるだけでなく、未消化のものが体内に停滞したり吸収されたりして、免疫機能にも負担をかけてしまいます。

・・・と長々と説明しましたが、要するにポイントは、いいものを口に入れてさえいればいいというわけではない、ということです。消化・吸収・運搬・利用・排泄がスムーズに行って初めて、私達は食べたものを血肉やエネルギーに変えることができます。そのためには、体全体の機能を高めておく必要があります。よく噛むこと、酵素の豊富なものを食べること、すい臓や肝臓に負担をかけるものを摂りすぎないこと、適度な運動でリンパの流れをよくしておくこと、神経の流れをよくしておくこと、ゆったりした気持ちで楽しく食べること、など様々な要因が関わってきます。

デトックスをするということは、老廃物の解毒・排泄を促すだけでなく、消化によく栄養価の高いものを食べることで、消化器官に休息を与え、肝臓やすい臓の機能を回復させ、腸内環境を整え、体の消化・吸収能力を上げ、体全体の機能を高めます。どうりでデトックス後、みんな体の調子が良くなるわけですね。

明日は6インチくらいの雪が降るとのこと。皆さん気をつけて運転してくださいね。

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